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母との残り日 1-3月11日

 誤嚥性肺炎で入院の後、介護度5の母が山の上の特養施設に入所したのが去年の三月十一日だった。
直後の停電もすぐに回復するはず、と地震も世間も停電ももう気にはならない母をスタッフに託して帰った私自身にも事の重大さはまだちっともわかってはいなかった。
 山を下り幹線道路に入ると信号機も停止。こわごわ運転でやっと帰り着いた日暮れの我が家もまっくら。広範囲なんだ! と改めて広がる不安。この冬空に停電かあとため息をつきながらやっぱりテレビのスイッチを入れる間抜けさよ!
 暖房が使えない三月初めの停電は数時間ですでに耐えがたく、唯一幸いのガスコンロでお湯を沸かし湯たんぽを引っ張り出してせめて足を温め、景品の安物ラジオにひたすら耳を寄せて着ぶくれたあの情けない一日半。しかしそんなお粗末なボヤキなんか喉の奥に引っ込んでしまうよな途方もない惨事を知るのは翌日からだった。
 以来一年と数カ月、混乱は収まらず不安は尽きない私達の地震列島ぐらし、それでも今は還暦を過ぎた娘が米寿の母に会いに片道十八キロの特別養護老人ホームに毎日通えている、思えばこれほどの幸運はまたとない。
「日残りて未だ暮るるに遠し」か、あるいは残りわずかということもあろう母と娘の日々を綴ってみようと思う。

               ろうろうかいご

テーマ : 生きる
ジャンル : ライフ

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プロフィール

おてんばば

Author:おてんばば
otembaba 長浜友子
(Nagahama Tomoko )
2006年からドイツとポーランドで日本語教師。大学の学生寮になぜかひとり、昔々の女学生が・・・
2008年から野の国ポーランドに再び住み始め、スケッチと簡素な暮らしの不自由さを楽しんだり、嘆いたり。
ポーランド語訳付 tłumaczenie na język polski:Judyta Yamato

2010年10月帰国

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