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母との残り日2―御変換

 母の介護を二十四時間施設に任せているのだから、私は昼ごはん時のお見舞いにちょっと出かけているだけのことである。
それでも出かけて行って帰ってくると最低でも三時間はかかり、今の私の一日の中で最も重要な位置を占めている。
 膝も腕も母ほどではないにせよ、もうかなりガタがきていて、腰はほとんど力仕事に耐えないという還暦の娘にとって米寿を迎えた母にしてやれることは少ない。
 徐々に表情が乏しくなりつつある母を少しでも笑わせようと歓びそうな民謡を歌ったり、手足をなるべく動かしたり、かとおもえば姉から聞きおぼえた膝裏リンパマッサージをし過ぎて母に嫌がられたりしている。

 そんな近況を知らせる友へのメールに「ろうろうかいごです。」とえらそうに、こまったふうに綴ろうとした。「一日限定数時間の老老介護です。」のつもり。
けれどパソコンの変換君は「朗々介護」ときた。軽い平手打ちを食らったような気分。「深刻ぶってないで、やれるわずかなことがあるというならそれをただ朗らかに精いっぱいすればいい」と言われた気がした。
以来「誤変換」とは言わず「御変換」と呼んでいる。



                ろうろうかいご

テーマ : 生きる
ジャンル : ライフ

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プロフィール

おてんばば

Author:おてんばば
otembaba 長浜友子
(Nagahama Tomoko )
2006年からドイツとポーランドで日本語教師。大学の学生寮になぜかひとり、昔々の女学生が・・・
2008年から野の国ポーランドに再び住み始め、スケッチと簡素な暮らしの不自由さを楽しんだり、嘆いたり。
ポーランド語訳付 tłumaczenie na język polski:Judyta Yamato

2010年10月帰国

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